おっさんにマラソン

おっさんにマラソンを当てがってみた記録と思索

そもそも、おっさんは何故走り始めたのか?

そもそもの話、このおっさんは何故走り始めたのか?

そんなん誰も知りたないし、どうでもええやんけっていう話なのは充分承知の上で書いてみる。

なぜか?

理由はひとつ。

おっさんが走り始めて、走り続けて得た数々の「暮らしの宝」と、走り始めるきっかけは、10年以上経って、ほぼ何の関係もということが言いたいから。
つまり、ヘイ、ブラザー、理由をこねくり回すヒマがあるんやったら走りなさい。走ってみませんか?ってことが言いたいので。

 

おっさんは、神戸で生まれ育ち、阪神淡路大震災のあった1995年1月に結婚、2人の男の子を授かって暮らしていた。しかし、甲斐性のなさが災いして7年後に「7年目の浮気」をされてしまい離婚、親権を裁判所で争った結果、子供たちの親権及び養育権を手に入れ、以降シングルファザーとして子供たちを一人前に育てることを人生の最大目的として暮らすことにした。

おっさんには頼れる身内もほぼ居なかったので、自身が倒れてしまっては子供たちが即路頭に迷ってしまう状況だった。なので、健康や体力の維持・増進は暮らしの中において3度の飯と同じくらい大切にしなければならなかった。子育てなんて100人100色なんだろう。しかし、幼いときは幼いなりの、大きくなったら大きくなったなりの、成人したら成人したなりの悩みや苦労があることは同じだと思う。
おっさんにとって健康や体力の維持は、身体を強くハードに動かすためというより、この悩みや苦労と四六時中向き合い続けるためというのが目的になっていた。
なぜなら、ソレは、いつも突発的に、いつも想定外の方向からやってくるからだ。
トラブルの解決なんてマニュアル通りにいくはずはない。
ああだこうだやって、それでも上手くいかないから別の方法を考えて実践してみる。
実践してみる、これがツボだろう。実践するには体力が要る。実践し続けるにはスタミナが要る。
悩み、考えるだけでは問題は1ミリも改善しない。改善していると思っているなら、それはアナタの脳ミソの中でだけ。考えは実践することでしか他者と折り合うことが出来ない。
この実践し続ける体力、行動に移すことの出来る気力を、おっさんは走り続けることで、自分なりのものを手に入れることが出来たと感じている。

おっさんが走り続けて得た数々の「暮らしの宝」は、突発的に、想定外の方向からやってきた色んなモノゴトに、ボコボコにされたり、押し返したり、いなしたり、慣れたりした極めて個人的なしょうもない歴史を経て手元に残った知恵や技術だった。

 

ああ、良く頑張った。子供たちも無事に社会人として暮らし始め、残りの人生を共に歩む伴侶とも巡り合うことが出来た。さあ、これからはゆっくりとノンビリと暮らしていこう・・・

なんて、普通そう思うやろ?

甘い。UCCの缶コーヒーくらい甘い。

産まれた川に遡って産卵を終えた鮭が川辺で浮かぶように、子育ての節目を過ぎたおっさんは「老いる」のである。
目が見えない、歯が割れる、腰痛い、毎年健康診断でディスられる、マラソンの記録がMr 右肩下がりになる・・・

 

どうやら、おっさんがこれから走り続ける理由は子育てから「土に還ろうとする我が身に対する抗い」にシフトするらしい。
基本ノンビリ暮らすだけなんだけど、不穏すぎる世の中の雰囲気と折り合っていくには、相当気力や体力や知恵を使わないといけなさそうやしね。
色んな箇所が「ジジイ化」しているけど、子育てに使ったパワーを趣味や学問に振り分けてみると、まだまだ色んなことが出来たりする。新しい知識や気付きを得ることで、新たに分からないことが増えたり、学ばなければという気力が湧いてくる。
大層なことは、その道のプロに任せておくとして、自分の暮らしで目が届く範囲くらいの射程で気付きや学びの実践を続けていくにも、気力・体力・スタミナが必要になる。

なので、おっさんは走り続けるのだ。

 

ところで、そもそも、おっさんは何故走り始めたのか?という表題の答えが出ていない。

おっさんが走り始めた本当の理由は、

 

「馬に乗りたい。」

「今は(当時は)、子育てが最優先やけど子供たちが巣立ったあと、経済的に余裕が出来たとしても身体がジジイだからという理由で乗れないなんていう人生は悲しすぎる。」

「だからオレは身体能力を鍛えるのだ!そうなのだ!そうだ、走るのだ!」

 

だった。

 

以来、某テーマパークで鞍なしの曳き馬にまたがった経験はあるものの、

「ダンス・ウィズ・ウルブズのジョン・ダンバーみたいにタタンカを追ってダコタの荒野を駆け抜ける」

ようには、全くなっていないどころか、かすってもいない。

 

現実はそんなもん。だが、あきらめているわけではない。

 

そもそも、おっさんは何故走り始めたのか? おっさんにマラソン~松岡マサヒロのブログ