おっさんにマラソン

おっさんにマラソンを当てがってみた記録と思索

小豆島オリーブマラソンを走る

メリパナイトランも、始まって14年目を数えるのだから、参加している面々も同様に歳を重ねる。

45で参加したおっさんも58になり、その肉体は底が見えない右肩下がりの機能低下にみまわれている。哀しいけれど、仕方のないことである。それでは、メリパに参加している人生の先輩方のソレはどんなものなのだろう?

 

そんな先輩のひとりに「新開地のサチコさん」という女性がいらっしゃる。
年齢は教えてもらったこともあるけど、女性なので右から左に受け流して覚えないことにしている。

彼女は、2019年の神戸マラソンに、初めてのフルマラソンとして挑戦された。
本番では、コース半分あたりの関門に引っかかってしまい完走を逃してしまう結果となった。しかし、出走までに重ねた練習や努力は、消えることなく彼女の心と身体に刻まれた。次走がフルマラソンになるかどうかは分からないけど、また機会を見つけてレースに挑戦しましょう、とメリパナイトランのメンバーは彼女の健闘を称えた。

 

そこに水を差す、滝のように水を差す出来事が起こってしまう。

コロナ禍だ。

 

ランニングの各種大会は、ことごとく中止、メリパナイトランも緊急ホニャララなんとかで、やむなく自粛することにした。ながらく盛り上がってきたマラソンブームも、ここに来て大きな陰りを迎えたように感じた。

 

やがて、免疫学的な根拠が謎のまま、コロナ禍は終わったことになる。

 

メリパナイトランも、普段通りの開催を再開し、それまで参加を続けてくれたメンバーも徐々に戻ってきてくれた。
「新開地のサチコさん」も、戻ってきてくださった。

しかし、彼女はメリパナイトランのコースを皆と一緒のペースで走ることが困難になっていた。
コロナ禍が彼女の体力を削り取っていたのだ。

とは言え、メリパナイトランには各種のショートカットコース、すなわち「近道」が存在する。その時の体調や気分に応じて「近道」を走ったり歩いたりして愉しむことが出来るので、安心して参加していただきたい。

彼女と一緒に、そんな「近道」を歩いているときか、メリケン亭で打ち上げているときやったっけ?

 

「走るモチベーションを上げるために、気力と体力が向いたとき、どこかの大会にエントリーするとかして、何か目標を作りませんか? 」
とアドバイス(そそのかすとも言える)してみた。

 

というわけで、小豆島オリーブマラソン大会の10キロ部門に挑戦することになった。

主人公の「新開地のサチコさん」、そしてメリパナイトランの古参の面々である「ムー兄」「世界のカマちゃん」そして、おっさん夫婦の5名で挑む。

 

レースへ向けての練習を始めた。

サチコさん同様、おっさんも2月末にやっちまった右足首の捻挫からのリハビリを開始する。

互いの時間が都合できたある日曜の午前、神戸三宮の浜手にある「みなとのもり公園」に集まって「ニコニコ1時間走」を実施した。
まず、10キロを走り切る、いや、動ききる体力を取り戻すべく、走るなり歩くなり、とにかく1時間「動き続ける」ことを目標とする内容である。

サチコさんの挑戦を応援する有志も集まってくれて、にぎやかなニコニコ走になった。
これは彼女の人徳だ。おっさんだと、こうはいかない。

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ニコニコ走も、数を重ねるにつれ、サチコさんの体力も徐々に戻っていった。
本番当日(2024年5月19日)の小豆島は、相当の暑さが予想される。お天道さまも、それを想定できるくらいの日差しを我々に与えてくださり、練習の質も向上できた。
ニコニコ1時間走も、ニコニコ90分走くらいまでレベルアップできたところで練習は終了。レース本番までは、風邪をひかない、ケガをしないなど、ひたすら体調を維持することが最優先だ。

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小豆島へはレース前日の土曜日に、神戸から向かうサチコさん組と、姫路から向かうおっさん夫婦の二手に分かれて乗り込んだ。
この日は、世界中行ったことのない場所など無いのではないか?という、世界のカマちゃんが手慣れた段取りで確保してくれたユースホステルで格安に宿泊することができた。カマちゃん、ありがとう。

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さて、夜が明けた19日の日曜日。
どんよりとした空模様。やがて雨が降ってきた。まあまあ寒い。
誰や?小豆島暑いで~とか言うたヤツは?

こんな天候を全く想定していなかったので、ランニング用の上着とか一切持ってこなかった。「これ以上降ってきたら、走るのやめる。」とムー兄が言い出す始末。まあまあ、そないおっしゃらずに・・・。

想定外の天候にとまどったが、予定通りにサチコさんの水やサプリなどは、おっさんのザックに積み込んで、サチコさんには、1グラムでも軽い状態で走ってもらうことにしてスタート地点に立った。
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スタートは、混雑に巻き込まれないように気をつけて、コースの端っこに寄って動き出す。
ほぼ全員が先にいったところで、サチコさんの体調と相談しながらペースを整える。

走ったり、歩いたり、給水は止まってゆっくりと。

自称「10キロの最後尾でぇ~っす」と沿道に触れ回っていた年配の女性と、最後まで抜きつ抜かれつを続けながら、1時間40分台で無事にゴールできた。

雨は降り続けたものの、結局最後まで強く降ることがなかったので、暑すぎるよりは良かったのかもしれない。

走っている道中の写真がコレ ↓。

マイペースで走っていた世界のカマちゃんが、往路と復路でのすれ違いざまに撮ってくれたものだ。さすが気配りの人、カマちゃんありがとう。
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走り終えたあと、世界のカマちゃんとは帰路のフェリー乗り場でオツカレサマ。

残りの4名は、もう1泊して小豆島を堪能した。

 

とにかく全員が無事に走り終えることが出来て良かった。

「新開地のサチコさん」が、これからも、ご自身なりに愉しくランニングと向き合って暮らしていく気概を持つきっかけの1つになってくれたら、これほど嬉しいことはないのだけれど。

老いることと走ることは、相反するものではなく、それこそ並走する関係であるものと信じているからだ。

 

付記:

 

もう1泊した翌日、フェリーの乗船時間の違いで午後に神戸組の皆さんと別れたあと、我々の乗船時間には少し余裕があったので、久しぶりにエンジェルロードへ行ってみた。

エンジェルロードは「出現中」で、オーバーツーリズム気味に混雑していた。

大切な人と手をつないで渡ると願いが叶うというエンジェルロード。

渡った先にある中余島には、そんな2人の願いが書かれた絵馬をくくりつける場所がある。

そこで見た光景が、今回の旅で最も心に沁みた。

2024年5月20日小豆島のエンジェルロードで見た、印象的な光景。

 

2024年5月20日小豆島のエンジェルロードで見た、印象的な光景・その2

社会は複雑である。
それを、ヒトは何故か向き合おうとしない。