おっさんにマラソン

おっさんにマラソンを当てがってみた記録と思索

2023年たつの市梅と潮の香マラソンを走る

2023年1月29日日曜日。

 

今年最初のレースになる「たつの市 梅と潮の香マラソン大会」のハーフマラソンの部に出走した。

コロナ禍で3年ぶりの開催になるのだけど、我が家のマラソンシーズンにおいてこのレースは、いつも姫路城マラソンに向けた前哨戦と位置づいている。開催時期の頃合いが良いのが1番の理由だが、他にも会場で「牡蠣祭り」が併催されていたり、賞品で綾部山梅林の入園チケットが高確率で当たったり、暮らしが愉しくなる他の理由もあるから毎年エントリーしている。

しかし、本番当日の前週は火曜の大雪で路面が凍り続けたり、歯医者に行ったりして22日のJOG練以降1週間ノーランニングで臨む羽目になった。そのためレースというより、ハーフマラソンの距離を走る練習みたいな感じで当日を迎えてしまう。妻も痛めている股関節の具合がイマイチ良くならないらしく、夫婦共々テンションが上がらないままでレース発送時刻の40分前に現場到着というリラックスモード。

外気温は1℃。さすがに雪は無くなっていたものの、集合場所の学校の校庭の土は凍っていた。空は青空、風の強さ次第で熱くも寒くもなる感じか?

このレースのコースは、前半5キロと10キロあたりで山を越える大きな登りと下りをやり過ごしたあと、国道250号線を約4キロの折り返し、計8キロの海沿いワインディングロードを走る優れた景観が特徴だ。道中は終始細かいアップダウンがあるから、ランナーの好みは分かれるかもしれない。

 

スタート直後、すぐに息が上がる。最近はJOG練ばかりやってるだけで、しかも1週間も走っていない身体で、いきなり1キロ5分ちょいのペースで走れば身体、特に心肺はリー即悲鳴を上げるのは仕方がない。なんせオイラはおっさん。1キロ走ったあたりから妻は徐々にペースを上げて、おっさんを置き去りにしていく。最近はいつもこのパターンだ。

哀しいけれど仕方がない。これがおっさんの現状。しかと受け止めた。

とにかく息苦しいまま走り続けるのは気持ちが悪い。精神に良くない。これを何とかしようと、この日走り続けることの出来るペース探しをするべく、呼吸を整え身体にリキんでいるところは無いかを問いかけてみる。給水は必ず立ち止まってゆっくりと飲み、とにかく急に動いてビックリしている身体を落ち着かせることに専念した。

7、8キロあたりで大会恒例の「揖保川トマトエイド」で揖保川トマトを食べたあたりから身体の変化が起こり始めたらしい。寒さで手が、かじかんでトマトがうまく掴めず結局止まってボランティアスタッフに渡してもらったのだが、一般的なプチトマトの倍くらいの大きさがある揖保川トマトが口の中で暴れ出す。噛んだ途端に果肉が口内で爆発してうまく飲み込めない。呼吸が苦しくなってペースを落としてしまうも、トマト自体は実に美味しい。結局、この「旨み」がレース終盤の原動力になったようだ。

10キロの激坂を越えて下って、250号線の折り返しを過ぎた15キロ付近でようやく息苦しい感じが収まった。その後は、少しペースを抑えて余力を圧縮して残り3キロあたりで解放、公式大会自己ワーストだったけど、経験値は少し上がった感じのレースになった。

おっさんのマラソンは今後、ほぼずっとこのように老いていく身体をどう現実と折り合わせてベターな結果を残すことが出来るか?という行為に終始するかもしれない。しかし、これはマラソンに限らず暮らしのあらゆる場面で起こることだ。暮らしの普段で、つい見過ごしがちになるこの「出来事」を、マラソンという非日常の世界が気付かせてくれる。このことを実感出来るってのは、走ることの大きな意義に違いない。

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走り終えたあとは、地元ローカルスーパーで肉を買い込み、家に帰ってから「キッチン立ち食い焼き肉」を愉しんで夫婦互いの健闘を慰めあう。

その後、2人で録画していた「大阪国際女子マラソン」をモニター画面に大声でツッコミを入れながら魅入る。

日本人最高順位を残した安藤友香選手のインタビューアからの質問の受け答えを観て、妻が

「安藤ちゃん、絶対彼氏おるわ。」

とモニターにツッコんだ。

オレもそう思った。

言葉に溢れ出すぎやろ、と。

溢れすぎるくらいがちょうどいい。

安藤選手の更なる活躍を祈った。